【対策3】日報を使い戦略指標を追求すべくマネジメントを行う | 「戦略実行4STEP」E(戦略実施)段階
戦略を本気で実行するための独自ワークフレーム「戦略実行4STEP」を説明いたします。
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戦略実行4STEP | 戦略を本気で実行するための独自フレームワーク
戦略指標が決まり、可視化されたら、各担当者は指標値を改善するために日常業務中で行動することになりますが、行動のやり方が悪ければ指標値は改善されないでしょう。また、適切な行動だったとしても、行動してから指標値が改善するまでには時間差(タイムラグ)があることが多いと考えられます。 1月に商品価値を向上させたとしても、お客さまに購入・利用していただくのは7月になるかもしれません。時間差があると、果たして行動が適切だったのか不安になる担当者もいると考えられます。
そこで、マネジャーである上司が、各担当者の行動を管理する(把握し、適宜、アドバイスする)ことが重要ですが、日々の行動によって指標値の改善を目指すわけですから、管理も日単位のスピードで行なっていく必要があります。月に1回や、3ヶ月に1回だけ、面談して指導もどきをするのでは、戦略実施のスピードに追いつけません。日単位で担当者を管理していくためには、日報を使うことが効果的です。
担当者は、「指標値改善に向けて当日実施した行動」、「次のアクション」、「お客さまの声とそれに対する自分の考え」などを毎日記載し、マネジャーはそれに対して適宜指導するようにします。「次のアクション」に問題があれば、マネジャーは修正指示を出すことができますし、「お客さまの声とそれに対する自分の考え」からクレームの芽が見つかることも考えられます。
なお、上では「管理」と書きましたが、これは管理であるとともに、日々の業務を通じて担当者を指導する「OJT」とも言えるでしょう。一般にOJTと言うと、指導者次第で指導の方向性がまちまちになることが多いですが、戦略指標値を改善するという明確な方向性があるため、指導者によるばらつきも少なくなることが期待できます。このため、マネジャーには、戦略内容を十分に理解しつつ、実務や指導に必要なスキルを持っていることが求められます。また、小規模な企業であれば、経営トップが直接、各社員の報告にレスポンスすることも非常に効果があると考えられます。経営トップから、戦略に基づいた指導を受けられるというのは、小規模企業ならではのメリットでしょう。
実際に日報をどのように実現するかについては、グループウェアを使ってもよいですし、単にメールのやりとりとして行なってもよいでしょう。
ユアスト 江村さん
ただし、前述の戦略指標モニタリングシステムと一体的に日報を使えるようなシステムを構築できれば、戦略指標の追求は、より効率的になると考えられます。
また、T(戦略伝達)段階の施策とも関連しますが、このような日常的に利用するシステムの中(たとえばログイン画面)に、戦略の解説などを掲示し、嫌でも目に触れるような環境を構築していくことによって、戦略をより身近なものにしていくことも効果があると考えられます。
次回予告:対策まとめ
次回、E段階での対策のまとめとなります。
【対策まとめ】ステップ社の対策 | 「戦略実行4STEP」E(戦略実施)段階