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published 2019.06.06 / update 2019.06.06

戦術は真似できても、その裏にある戦略は真似できないのか?

戦術は真似できても、その裏にある戦略は真似できないのか?

先日、とあるネット記事で

「戦術は真似できても、その裏にある戦略は真似できない。」

という一文を目にしました。

そこで今日は「戦略」についての私なりの考えを述べてみたいと思います。

とても難しい「戦略と戦術の違い」

「戦術は真似できても、その裏にある戦略は真似できない。」

という命題に対する私の考えは、「ある部分では正しいし、ある部分では正しくない」といったところです。

その理由として、ここでは、戦術と戦略の定義がきちんとされていないので、なんとも言えないなあという感じです。

そして、戦術と戦略の定義は非常に難しくて、いろんな人がいろんなことを言っています。

ざっとWEB上で探しても、

戦略とは「大局をみて考えた勝つためのシナリオ」、対して戦術は「具体的な戦い方」。

みたいなことが書いてあって、なんとなくはわかるけど、どこまでが戦略でどこまでが戦術なのかははっきりしません。

また、戦略は全体で、戦術は部分だといったことも言われたりします。

しかし、そう捉えると、たとえば、ある会社の営業をどうしようと考える際、社長が考えるなら経営の一部分の戦術でしょうが、営業部長から見ればそれは自分の仕事全てなので戦略になると思います。

同じ内容が、考える人の違いによって戦略になったり戦術になったりしては、非常に混乱します。

これに対して、戦略・戦術の本質的な違いとして私が考えているのは、
「戦術は今すぐできること。戦略は今すぐはできないことも含む。」という点です。

戦略には、今すぐにはできないことも含めてよい。

たとえば、

A社の体育会系の営業部が、「飛び込み営業を1日100件しよう」というのは今すぐ(やろうと思えば)できることなので戦術と言えそうです。

一方、「社員のコンサルティング能力を高めて、提案型営業に切り替えよう」というのはこの会社にとっては今すぐにはできないかもしれません。

しかし、今後はそうしていこうと舵を切るとしたら、それは戦略と言えると思います。

そのためには、研修に行ったり、提案型営業ができる人にOJTしてもらったりという時間をかけた取り組みが必要になります。

そして、2年後、体育会系の営業部から、コンサル色の強い営業部に変貌したとします。

ここでA社によく似たB社があったとします。

B社にとってA社の
「飛び込み営業を1日100件しよう」戦術
は真似できると思います。

これに対して、提案型営業に切り替えるということは、「少なくともすぐには」真似できません。

もっとも、A社がやったのと同じようにB社も時間をかけて取り組んでいけば、提案型営業も真似できるはずです。

 ユアスト 江村さん

ユアスト 江村さん

つまり、戦略も真似することは可能です。
ただ、「そのためには時間がかかる場合がある」というのが本質だと私は考えています。

戦術の裏にある戦略は簡単には真似できないことが多い

冒頭の
「戦術は真似できても、その裏にある戦略は真似できない。」
という文章に戻ると、

私が補足すると、
「戦術は真似できても、その裏にある戦略は(すぐには)真似できない(ことが多い)。」
となりますね。