3C分析をする|戦略の基本 −戦略の作り方 その1−
前回は、
当サイトの考える戦略とは、
・お客さまにとって価値のある商品・サービスを、自社ならではのリソースを使って、競合に対して差別化された形で提供するための具体的な方針を示すもの
・今すぐにはできないことも含めてよい(戦術は今できること)
であることを示すとともに、戦略は企業だけではなく、個人事業主や地方自治体、キャリアプランを考える個人など、 さまざまな主体にとって有用であることを述べました。
そもそも戦略とは?
それでは、早速、戦略の作り方を考えていきましょう。
戦略の基本は3C分析
いきなり白紙を渡されて、「ここに戦略を書きなさい」と言われたら、困惑する方も多いかと思います。
これに対して、予め記入欄が用意された用紙が渡され、空欄を埋めてくださいというのであれば、とっかかりやすいのではないでしょうか。
ビジネスの世界で予め記入欄が用意された用紙に相当するものが、いわゆる(ビジネス)フレームワークと呼ばれるものです。
日本語にすれば、「思考のための枠組み」といったところです。
フレームワークには「SWOT分析」、「5Forces」、「PEST分析」・・・など、優れたものがたくさんありますが、ここでは「3C分析」を使います。
ご存知の方も多いかと思いますが、3Cとは3つのC
「Customer:お客様、Competitor:競合、Company:自社」
を指します。
記入欄が用意された用紙の例は次図のとおりです。
3C分析を改良する
全くの白紙よりは大きく前進しましたが、まだ漠然としていて何を書いてよいか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、さらに考えやすくするために、次図のとおり用紙に質問を補足します。
Customer:お客様
まず「Customer:お客様」ですが、誰(どういった人)という部分と、その人がどういう要望(ニーズ)を持っているかという部分に分けます。
ユアスト 江村さん
たとえば、旅行会社で考えると、次のような例があげられます。
【例1】
「誰?」 ⇒ 旅慣れており、通常のパッケージツアーとは一味違う旅行をしたい方
「どういう要望を持っているか」 ⇒ 現地の本当の姿を体感したい
【例2】
「誰?」 ⇒ 台湾からの訪日外国人客(リピート客)
「どういう要望を持っているか」 ⇒ 日本の四季を感じたい
Competitor:競合
次に「Competitor:競合」ですが、誰(どういった事業者)という部分と、その事業者がどういう特徴を持っているかという部分に分けます。
ユアスト 江村さん
たとえば、旅行会社で考えると、次のような例があげられます。
【例】
「誰?」 ⇒ 大手旅行代理店
「どういう特徴を持っているか」 ⇒ 圧倒的な知名度があり集客力が高いが、個々人のニーズにあわせたカスタマイズはあまりしたがらない。
Company:自社
最後に「Company:自社」ですが、競合を念頭においた上で、それらの競合に勝てる強みが自社にあるかどうかを考えていきます。
次の記事で詳しく解説していきます。
「自社のリソース」と「強み」を連動させる|戦略の基本 −戦略の作り方 その2−