明確な目標がなく「とにかく頑張る」でなんとか成り立っている社風の会社で働いているのですが…
明確な目標がなく「とにかく頑張る」でなんとか成り立っている社風の会社で働いています。「とにかく頑張る」で成果も上がって楽しいときはいいのですが、ずっとそうもいかないと思います。そういった環境下で働く社員として何か意識できることはあるでしょうか。
という、今回もさすらいのサラリーマンさんからの質問です。
ユアスト 江村さん
なるほど、そのような環境で働きつつも何か改善したいと思っているわけですね。
顧客と接する機会はありますか?
さすらいのサラリーマン
顧客と接する機会はありつつも、会社としてどういう方針かがわからないので
「とにかく頑張る」でしか顧客にもアピールできないという状況といえばよいでしょうか。会社として商品以外で何を売りにして提供すればよいのかが見えていないという感じです。
ユアスト 江村さん
顧客があなたとあなたの会社に期待している価値はなんでしょうか?
さすらいのサラリーマン
そもそも顧客が期待している価値と自分の会社が売っていきたい・伸ばしたいと考えていることが一致しているのかどうか、ということを考えてしまっています。余計なことなのかもしれませんが・・・。
少なからず自分としては会社にとっても意義がある形で、その上で顧客に対しても価値を提供していくことが、自分にとっても仕事をする上での喜びだと感じているのです。
わかりました。では解説していきましょう。
お客さんはどこを評価してくれているのか
方針を示すのは経営の仕事ですから、経営が責任・役割を十分に果たしていないと言わざるを得ない状況かと思います。
本来、経営が考えなくてはいけないでしょうが、現場から、お客さんは同社のどこを評価してくれているのか(その結果として仕事をくれているのか)を経営陣に伝えていくのも一案ですね。
どこを評価しているかについては、Q(品質)C(コスト)T(納期)に分けて考えるのがベーシックですね。
Qに関しては、さらに細かく考えたほうがよいでしょう。
ミスが少ないのも品質ですし、顧客には想像できないようなアイデアが出てくるのも品質ですし、新しい技術に精通していることも品質になります。
ミスが少ないのも品質
顧客には想像できないようなアイデアが出てくるのも品質
新しい技術に精通していることも品質
ユアスト 江村さん
そのあたり(どこを評価してくれているのか)を、顧客から聞くのもよいですね。
それがわかってきたら、現場としては、じゃあそこを強化しようとか、そこは譲らないようにしようといった方針が立てられます。
社員から経営陣への働きかけ
また、経営陣にも説得しやすくなると思います。
たとえば、新しい技術に精通していることを評価してくれているとして、技術セミナーに参加したいと思ったら、
「顧客へのヒアリングによると、顧客は当社の新しい技術への精通を高く評価してくれている。それをさらに高めたいのでこのセミナーに参加したい。」
などと経営陣に働きかけるようなこともしやすくなるのではないでしょうか。
その結果、やがて、経営陣も「うちの強みは、最新技術へ精通していることだ」と言い出すかもしれません。
Answer:がんばるポイントを絞る
これらを踏まえると、現場としてまずできることは、
「顧客の声を聞いて、がんばるポイントを絞る」
といったところではないでしょうか。
そして、「がんばるポイントを絞る」というのが「戦略」の本質と言えます。
時間や労力を、ポイントを絞って投入し、会社の強みを作っていく。そしてその強みによって顧客に価値を提供していく。
このような地道な取り組みが、会社や社員を強くしていくはずです。