IT業界で独立・起業することになりました。受託業務と自社サービスの配分はどのように考えればよいでしょうか?
IT業界で独立・起業することになりました。
受託の仕事を頂けている反面、自らも新しいサービスを生み出して
社会に貢献していかなければならないと感じております。
知人からは「受託やれば、金は稼げるんだけどさ」のような話もよく聞きます。
相手がある仕事を優先すべきということはよく言われますが、
それに追われてばかりだと長期的によくないという事例も知っています。
日々どのような配分と意識で仕事を進めていけばよいでしょうか。
という、今回はIT太郎さんからの質問です。
なるほど、受託業務と自社サービスの配分ということですね。
では解説していきましょう。
受託業務と自社サービス(自社事業)
ここでは、IT業界を念頭に、①受託業務と②自社サービス(自社事業)の二つ分けて考えてみます。
①受託業務と②自社サービスのどちらがよくてどちらが悪いということはないと私は思います。
①受託業務では、特定の顧客のニーズに対してシステムなりを開発し価値を提供することになり、顧客はお金を支払ってくれる上に、うまくいけば感謝もしてくれるでしょう。
顧客に寄り添って一緒に問題を解決することは、とても楽しい仕事だと思います。
一方②自社サービス(自社事業)は、成功すれば目立ちますし、大きな経済的成功にもつながりやすいでしょう。
①②ともによい点はありますが、社会的な風潮として②がもてはやされる傾向は続いており、冒頭の質問の中にある知人コメントの「受託やれば、金は稼げるんだけどさ」といった発言のベースには、②をよしとする考えがあるのでしょう。
一般論として、IT業界で自社サービスを開発しているのであれば、受託業務もこなせる可能性が高いです。 その理由は、使うスキルに共通項が多いからです。
もちろん受託業務では、顧客の話を真摯に聞き、顧客に寄り添う姿勢も重要ですので、自社サービスを開発できる人なら誰でも受託業務で成功できるというわけではありませんが、自社サービス開発に比べて受託業務のほうが結果を出しやすいとは思います。
ユアスト 江村さん
だからと言って、受託業務が格下ということではもちろんないですし、受託業務をすることに価値や喜びを見出す人は、当然、それをやればよいでしょう。
時間の配分
IT太郎さんは、「受託業務を受けつつ、自社サービス開発も進めたい。その配分をどう考えればよいか。」とお悩みですね。
前項では受託業務をやりたければもちろんやればよいと書きましたが、IT太郎さんはすごい自社サービスを開発し大きな成功も目指したいという前提で話を進めます。
すごい自社サービスのアイデア、構想があり、実現までの道筋もある程度見えているのであれば、その実現に必要な資金を集めることは、昨今ではそれほど難しくないと思います。
そして、必要な資金を集められるのであれば、「受託なんかやらずに」自社サービス開発に100%力を注げばよいと思います。(しつこいですが、私は受託業務が格下とは考えていません)
一方、そこまでいけそうな自社サービス内容が固まっていないという場合もあるでしょう。
というより、そういうケースがほとんだと思います。
この場合は、大きな資金調達を実現することは難しいのではないでしょうか。
だとすれば、よほど実家が裕福(実家からの資金調達に成功したとも言えますが)とかではない限り、当面の食い扶持を稼ぐ必要があります。
ユアスト 江村さん
コンビニでアルバイトをしてもよいですが、自社サービスを開発できるようなスキルがあるIT太郎さんであれば、受託業務をやったほうが効率的に稼げるはずです。
また、受託業務をやることで自身のスキルアップや、自社サービスに関するアイデアが生まれるといったメリットもありそうです。
そして受託業務に取り組む以外の時間で、自社サービスのレベルを高め、資金調達を目指していくのがよいのではないでしょうか。
Answer:一定の受託業務をやりながら、自社サービスをブラッシュアップしていく
一定の受託業務を行うことで当面の資金を確保しつつ、受託業務を通じてアイデアやスキルといった自社サービス開発に必要なリソースを蓄積し、自社サービスをブラッシュアップしていくのがよいでしょう。
自分の事業を行う上でのリソースを拡充していくことは、IT太郎さんの経営戦略としてもオーソドックスなものと言えると思います。
では、具体的にはどのぐらいの時間配分が好ましいかというお話については、次の記事に書いてみましたのでよろしければ併せてご覧ください。
受託業務を受けつつ自社サービス開発を進める場合の具体的な時間配分は…ズバリ○○%!