法人設立の際に補助金・助成金を申請するメリットとデメリットとは?
今回は補助金・助成金に関するご相談ですね。
法人設立の際に、補助金・助成金を申請しようかと思っております。
申請するのにハードルはあるものの、
受給できたときの金銭的なメリットは大きいと思います。
一方、やはり申請する際の手間などは大きく、
時期も決まっているので適切なタイミングを逃す恐れもある、
という否定的な意見も目にします。
それを差し引いても、創業の際の資金の安定というメリットは他に代えがたいので、
申請を考えていますが、実はこんなデメリットもあるよ、
ということがあればぜひ教えてください。
ではさっそくお答えしてまいりましょう。
補助金・助成金とは
近年では、国や地方自治体も、中小企業・小規模事業者に対して積極的に補助金・助成金を提供しています。
当社のお客様の中でも、補助金・助成金を申請される会社が多くあります。
補助金・助成金は、国や地方自治体(外郭団体含む)・財団・企業等が、一定の基準(研究開発や新規雇用など)を満たした中小企業等に対して支給している、 融資とは違って返済の必要がない資金のことです (中には、補助金を利用して行った事業によって大きく収益が発生した際等に、 補助金の一部を返納する義務がある補助金もあります)。
補助金を受給できる主なタイミングとしては、
・創業時(事業承継時)
・新製品・新サービス開発時
助成金を受給できる主なタイミングとしては、
・有期契約社員を正社員に転換する時
などが挙げられます。
助成金のほうは、雇用保険を支払い、条件に合致すれば受給できるものが多いですが、
補助金のほうは、新たに興す事業や新製品の内容や事業計画、社会的意義、実現見込等を記載し、 他社との競争を勝ち抜く必要があります。
補助金・助成金のメリット・デメリット
補助金・助成金を獲得するメリットは、当然ながら基本的に返済する必要のない資金を得られることがまず挙げられます。
また、補助金を申請する際には、自社の経営方針や具体的な事業計画を申請書に書く場合が多く、改めて自社(もしくは個人)の経営方針や事業計画を見つめ直し、文章にすることには大きな意義があると考えます。
一方、デメリットとしては、
・申請のためには時間や労力が結構かかる。
・そして、がんばったにもかかわらず、結局獲得できないことも少なからずあり、その際の疲弊感は非常に大きい。
・公募期間に制限があるなどによって、事業の展開に制約がかかる(例えば、サービスリリース時期が遅れる)場合がある。
などが挙げられます。
ユアスト 江村さん
たとえば「ものづくり補助金(今年度の正式名称は、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」など経済産業省系の補助金では、倍率が2〜3倍以上のものが多く、それなりに厳しい競争を勝ち抜かなくてはなりません。
また、厚生労働省系の助成金では、就業規則の細かい部分に不適切な点があったりすると、助成金が獲得できない場合も多々あります。
補助金・助成金を狙うべきか
一概には言えませんが、
・創業や新製品・新サービス開発などでまとまったお金が必要
・費用対効果(獲得できそうな金額÷申請等に要する時間・労力)が許容範囲内
という条件が揃った場合には、積極的に狙いにいってもよいと思います。
以前の記事では、
「すごい自社サービスのアイデア、構想があり、実現までの道筋もある程度見えているのであれば、その実現に必要な資金を集めることは、昨今ではそれほど難しくない」
と書きました。
IT業界で独立・起業することになりました。受託業務と自社サービスの配分はどのように考えればよいでしょうか?
これは、主にベンチャーキャピタル等からの出資を念頭においています。
主観的になってしまいますが、ベンチャーキャピタルからの出資を引き出すよりは、補助金を獲得するほうがハードルは低いかなと思いますので、そこまですごい自社サービスがない場合には補助金にチャレンジすることは有意義でしょう。
また、自社の製品やサービスがどの程度マーケット(顧客)に受け入れられるかを判断できるクラウドファンディングという資金調達方法も検討の余地があります。
特に、購入型クラウドファンディングであれば、
「資金調達して製品を作ったけれど全く売れなかった」
という事態を回避できますので、 リスクを抑えつつ資金も調達できる非常に優れた方法と言えます。
Answer:補助金・助成金以外の資金調達方法も検討した上で考えてみよう
これら補助金・助成金以外の資金調達方法も検討した上で、補助金・助成金がよさそうということでしたら、ぜひ狙ってみるのがよいと思います。
ユアスト 江村さん
なお、補助金・助成金を実際に狙われる際には、各制度の募集要項等を熟読されたり、詳しい人に相談されることをお勧めします。
もちろん、弊社でもそのようなご相談には対応しております。
お問い合わせ・ご相談
(本記事は、2019年7月時点での情報をもとに執筆しています)