コラム

your strategy, your life

コラム

published 2023.09.18 / update 2023.09.18

経営コンサルタントの選び方

経営コンサルタントの選び方

中小企業の社長さんから、 経営コンサルタントの選び方に関してご質問をいただきました。

当社は従業員約100名の製造業の会社です。
既存事業は徐々に先細りになってくると考えられるので、新規事業の立ち上げを考えています。その際、経営コンサルタントを活用してみようと考えています。
これまで当社では、経営コンサルタントを活用したことはなかったのですが、新規事業の立ち上げとなると、社長含めて当社の人間だけでやり遂げるのは難しいような気がしています。
何社か既に経営コンサルタント会社の話を聞いたのですが、どのような点に留意して依頼先を選べばよいのでしょうか?

経営コンサルタントを選ぶ際のポイント

中小企業の場合、税理士とは契約しているけれど、経営コンサルタントを使ったことがないという企業も多いと思います。

税理士に経営コンサルタントの役割も期待しているといったケースもあるでしょう。もちろん、税理士は税務財務に精通していて、そこから経営全般に対する助言をする方もいらっしゃいますが、あくまで本業は税務関係です。

例えば、新規事業を立ち上げるとか、従業員のモチベーションを高めるための人事評価制度をつくるといった際には、経営コンサルタントの活用を考えるのは合理的だと思います。

さて、経営コンサルタントを選ぶ際のポイントは、端的に言えば下記二点かと思います。

・自社の問題解決に向けたヒントを提示してくれるか(サービスの価値)
・価格

これは、当たり前の話で、たいていの商品・サービスであれば、商品・サービスの価値と、価格が判断基準になるはずです。

価格はわかりやすいですが、コンサルタントの場合、サービスの価値の見極めがポイントとなります。

以下では、コンサルタントが、問題解決に向けたヒントを提示してくれるかどうかを判断する際のポイントを示します。

ポイント① 知識や分析力があるか

コンサルタントは、顧客企業に対してヒアリングを行い、問題を明らかにし、持てる知識や分析力を使って、問題解決策を提示していきます。

知識と分析力のどちらがより重要かと言えば、私は分析力だと考えます。

知識、特に、顧客企業や業界に関しては、当然ながらコンサルタントよりも顧客企業のほうが詳しいはずです。特定の業界専門のコンサルタントであれば、当該業界に精通しているでしょうが、幅広い業界に対応しているコンサルタントであれば、あらゆる業界に詳しくなることには限界があります。

そのような場合には、コンサルタントは顧客企業に対してヒアリングを行い、当該業界に関する知識を補充することになります。ですので、知識に関しては、契約締結後でも補充が可能です。

これに対して、分析力が足りないコンサルタントでは、問題の核心に迫り、示唆に富んだ提案を行うことは難しいでしょう。分析力は一朝一夕につくようなものではないと思いますので、これはコンサルタントにとって致命的です。

分析力がなかったり、検討時間が足りなかったりする場合、コンサルタントの提案はどうしても浅いものになります。多くの人が容易に思いつくような提案と言ってもよいかもしれません。

としますと、仮に何社かから提案を出してもらって、それらが同じようなものであったら、各社は分析力が足りないか、検討時間が足りなかったのかもしれません。

逆に、他社とはひと味違うような提案をするコンサルタントがいれば、そこは有力な依頼先候補になるのではないかと思います。

ポイント② 話しやすいか

これは、ポイント①よりも重要かもしれません。

いくら知識や分析力に優れたコンサルタントだったとしても、依頼する側が「なんか話しにくいな」と思うのであれば、そのコンサルタントはやめておきましょう。

話しやすいという環境があってこそ、会社の問題をつっこんで議論することができるわけですので、その環境が損なわれているのであれば、議論は浅いものとなっていまいます。結果として、コンサルタント側からの提案も浅いものにならざるを得ません。

コンサルタントはたくさんいますので、話しやすいコンサルタントが見つかるまで、何社も話を聞くのがよいように思います。

なお、営業段階ではエース級のコンサルタントがやって来たのに、いざ契約を締結してみたら、新人コンサルタントが担当についたというのはよくある話ですので、「話しやすいか」を判断する際には、そのコンサルタントが契約締結後も来てくれるのか、主体的に関わってくれるのかは、しっかりと確認したほうがよいでしょう。

顧客企業・コンサルタントの双方にとって有意義なお試し期間

上記であげた二つのポイント

・ポイント① 知識や分析力があるか
・ポイント② 話しやすいか

をはかるために有用なのは、コンサルティング契約のお試し期間です。

すべてのコンサルタント会社がお試し期間を設けているわけではありませんが、設けているコンサルタント会社も少なくありません。

当社でも、例えば新規事業の立ち上げ、人事評価制度作成などのコンサル業務を行う際は、基本的に、何か月 × 月単価 といった料金とさせていただいていますが、ご契約いただく前に、無料お試し期間(1か月)というのを設けています。

無料だとコンサルタント側が損なのではないかと思われるかもしれませんが、お試し期間はお客様側・弊社側ともメリットがあると考えています。

経営コンサル業務は、税理士業務やシステム開発・ホームページ制作などと異なり、お客様側からするとアウトプットがどういうものになるのかわかりづらく、もっと違うアウトプットを期待していたということが起こりやすいです。

ですので、お客様側は1か月であっても、コンサルタントからのアウトプットを実際に見ることで、最終的なアウトプットのあたりをつけることが可能になります。

そして1か月の間、実際にコンサルタントと話をすれば、「①知識や分析力があるか」「②話しやすいか」に関して、判断を下すことができるでしょう。

一方、コンサルタント側にとっても、お試し期間のメリットがあります。

通常、コンサルタントが新規案件の受注を目指すためには、提案書を作る場合が多いです。

例えば家電や保険商品などのように、商品・サービスの内容が決まっているものであれば、提案書を作るのは難しくありません。

しかし、経営コンサル業務の場合、お客様の問題・課題はそれぞれなので、お客様からしっかりとヒアリングをしないことには、意味のある提案書を作ることが非常に難しいと言えます。ましてや、その業界でずっと事業をやってきたお客様が解決できていない問題ですので、即座に解決策が思い浮かぶというものでもありません。

そこで、1か月のお試し期間があれば、お客様からしっかりとヒアリングさせていただき、必要があれば知識を補充して、持ち前の分析力を使って、ひと味違う提案をすることが可能となります。

お試し期間がないとお試し期間があれば
お客様の立場「①知識や分析力があるか」「②話しやすいか」といったポイントが不明のまま契約することになる。結果として「期待外れだった」ということになりかねない。「①知識や分析力があるか」「②話しやすいか」に関して十分に判断した上で、依頼先を決めることができる。結果として期待どおり、もしくは期待を超えるアウトプットを得られる可能性がひろがる。
 コンサルタントの立場浅い提案しかできない。結果として受注できない。ひと味違う提案をすることが可能。結果として受注の可能性がひろがる。

なお、当社では、1か月のお試し期間が終わった段階で、ご納得いただけるようであれば正式にご契約いただき、ちょっといまいちだなあということであれば、契約はせずに終了していただくようにしています。

当社の場合、お試し期間中に制作した成果物は、お客様に帰属しますので、それを使って、お客様が独力で検討を進めたり、場合によっては他コンサルさんを使ったりしていただくのも自由です(当社にとっては悲しいですが)。

Answer: 「知識や分析力があるか」「話しやすいか」といった観点と、価格から依頼先を決めよう。

冒頭の質問に対する回答としては、

  • サービスの価値(自社の問題解決に向けたヒントを提示してくれるか)と価格が基本的な判断基準である。
  • サービスの価値を判断するためのポイントは、「① 知識や分析力があるか」「② 話しやすいか」
  • コンサルティングサービスのお試し期間があれば、サービスの価値を判断しやすいため、お試し期間を用意している会社を選ぶのも有用。

となります。

 ユアスト 江村さん

ユアスト 江村さん

試しに当社のコンサルティングを体験してみたいという方がいらっしゃれば、ぜひ下記よりお問い合わせください。